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〜教育・ミニマリスト・幸福論〜

大学院進学の意義と魅力:35歳社会人の挑戦記

 

私は35歳で大学院に入学しました。

周りから相当反対されました。特に同僚からは反対されました。

しかし、今年(2024)3月に大学院を修了し、大学院に入学して心から良かったと思っています。今回はその理由、及び社会人になってから大学院に入学する意味について書いていこうと思います。

 

小さい頃の夢や疑問を大人になっても解決したかった

私は、幼少期から音楽やダンス、服や髪型などデザインや美術、芸術に関心がある子どもでした。音楽が大好きで歌手になりたいと思っていたこともあります。しかし、さまざまな現実を見ることで、夢は次第に薄れ、より現実的な将来を考えるようになりました。結局、大学を卒業後、公務員となり仕事を始めます。しかし、幼少期に感じた芸術への憧れやその時抱いていた芸術への疑問や不満は大人になっても消えることはありませんでした。仕事をしていて時間にも余裕がなく、次第にストレスばかりが溜まるようになっていまいました。

現状の仕事の壁を解決する方法はビジネス書には載ってなかった

私は公務員を10年以上続けました。仕事にも慣れてくると同時に、壁にぶち当たることも多くなってきました。若手への接し方、リーダー的ポジションの振る舞い方、時間の使い方など、たくさんの壁にぶち当たりながらも、なんとかやり過ごしてきました。しかし、その根本となる壁についてはどの本にも書いていなかったように思います。

 

・どうして働くのか?

・この労働は何になっているのか? 自分にとっての意味はなにか?

・労働ってそもそもなんだ?

・芸術って労働になりえるのか? 今はただの余暇の暇つぶしなのか?

 

こんなことを考えるようになってきたのです。もちろん、ビジネス書は基本的にハウツー本のものが多いので、根本的な解決よりも、表面的、対処療法的な方法を得意としています。私もビジネス書を読んできましたが、答えになるものはありませんでした。

旅行に行っても新しい自分に出会えなかった

旅行をすることは多くのインフルエンサーや実業家の方が、おすすめする趣味の1つです。実際旅行をすることで新しい知見を得たり、刺激をもらうことができます。私は、それまで海外に行ったことがなかったですが、思い切って1人で韓国と台湾に行ってみました。しかし、自分を発見することはできませんでした。むしろ、自己嫌悪におちいったくらいです。話せない自分、注文できない自分、トイレに焦る自分。海外に行くと、変われる気がするみたいな幻想を抱きがちですが、むしろ逆です。海外という未知の世界が、自分をより惨めなものとして浮き上がらせてくれます。

「あ、自分ってやっぱり何もできないんだな」

「海外に行ったからっておしゃれになるわけではないな」

新しい自分ではなく、今までの自分を再確認するのが旅行です。

誰も自分の疑問について答えを持ち合わせていなかった

幼少期から疑問を持っていた自分にとって、その答えとなるものを探すのは当然のことでした。しかし、その答えらしきものは自分の手の届くところにはなかったのが事実です。というか、探し方もわかっていなかったし、どこの何を調べればいいのかもわかっていませんでした。しかも時間もない。

さらに、驚くべきことは、専門家のような人に聞いてもあまりいい返事が返ってきませんでした。つまり、私が疑問に思っていたことは、あまりその業界では疑問に思われていなかったということです。芸術ってそもそも何?という根本的な問題は置き去りにされ、芸術の技法・方法(描き方や演奏の仕方)ばかりに目を向けられている現状には誰も疑問を持っていないようでした。

 

上記のことを解決してくれるのが大学院でした。幸い、私が所属した研究室の教授は、私の疑問に対して、全く否定せず、かつさまざまな方面からご助言をいただける先生でした(本当に偶然です。普通だったらそんなことよりも「作品を作れ」と言われてしまう…)ありがたい話です。

 

大学という場所は自分で研究課題を持ち、自分で研究を進めていかなければなりません。教授はあくまでアドバイザーであり、研究をお手伝いしてくれる部分はあっても教授から手取り足取り指示があるわけではありません。(基本はそうですが、最近の大学は結構手取り足取り教えてくれる大学も増えたようです。)

これは仕事でも同じですよね。社会人を経験していると逆算することや、計画を立てること、メールのやり取りや、コミュニケーションの取り方も経験をもとに、学生時代とは違うスムーズなやり取りが可能になります。

また、用意されている大学院も通学のものから、通信制のもの、社会人に特化したものや、若い学生たちと切磋琢磨できるものまで多種多様な大学院が存在します。一切通学をせずオンラインで完結する大学もあるし、通学して対面で議論できる大学院も存在します。現代において、学び方は一様ではありません。

大学院、ぜひ検討してみてください!