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〜教育・ミニマリスト・幸福論〜

吹奏楽コンクール自由曲の選び方③

11 外部の人たちに「どうしてこの曲なの?」と言われて答えられる根拠があるか

理由があるか、しかもその理由が複数あり、自身を持って指揮者が答えられるかどうかです。また、選曲理由を奏者自身もよく理解し、言語化できることも重要です。どれだけ奇抜な選曲であっても、外部の人達に批判される理由はありません。しかし、明確な理由や根拠なしに奇をてらった選曲をしてしまうとただの滑稽にうつり、印象が悪くなっています。

 

12 大事な部分やソロが上級生にくるか(学生バンド)

大変上手な奏者が2年生にいる場合、その生徒を目立つようにしたいという思いは間違いではないですが、相当な強豪でなければ、最上級生にソロをませてしまったほうがいい場合が多いように思います。よくあるのは、最上級生にソロが回ってこず最上級生が自信を失ってしまう。また2年生がソロをやることでその2年生にプレッシャーがのしかかり精神的に潰れてしまう、ということです。双方にとって望ましいのは、上級生が最後のコンクールに向けて頑張る、そして、下級生たちがそのソロを見守り、支え続けることだと思います。

 

13 課題曲との並びがいいか

同じような曲調が続いてしまうと飽きてしまいます。課題曲と自由曲がまるで続きのような団体に今まで何度かあったことがありますが、いずれもめちゃくちゃうまいバンドでした。そういうバンドは自信があるのでしょうし批判の対象にもならないのですが、一般的なバンドは課題曲と自由曲は違うテイストのものを選んだほうがいいと思います。その方が表情も出しやすいですし、なにより同じ音に聞こえません。いわゆる一本調子を防ぐことにも繋がります。

 

14 いいカットがされている演奏があるか

特に指導者として駆け出しの頃はこのことを意識しておきましょう。カットしているにも関わらず、カットしているように聞こえない。そのようなカットは指導者経験が長くないとできません。いまでは、吹奏楽コンクール用にもともと短い作品も数多く出版されていますし、youtube等で確認が容易にできますので、色々なカットを聞いておくのがいいと思います。

 

15 指揮を振る人がその曲の良さを語れるか

やはり最後はこれです。指揮者がその曲の良さをマニアックに語れるかです。その曲に愛があるかとも関係してきます。オタクたちがマニアックに嗜好品について語れるように、その曲について奏者に語れるか、そしてその曲に惚れ込んでいるか。愛があれば指揮も愛に満ちた表現になりますが、思い入れがないとやはり指揮も適当になるものです。奏者も指揮者の愛に敏感です。包み隠さず曲への愛を指揮で表現することで、奏者の曲への愛も深まっていくと思います。

 

いかがでしたでしょうか。自由曲の選び方、私なりの基準でした。毎年、選曲するのは本当に大変ですよね。私も毎年疲れています笑

でも、選曲で6割決まると言っても過言ではありません。選曲で鍛えるべき方向性はガラリと変わります。課題曲、自由曲は長い付き合いになる曲です。慎重にしかし、大胆に自分たちの色が出せる曲を選びたいものです。

今年も皆さん大いに悩みましょう!!